代表挨拶

 

経営理念

森元 陽子
株式会社モリモリ 代表取締役社長
訪問看護認定看護師 主任介護支援専門員

保険外の訪問看護

みんなの訪問看護リハビリステーションは、介護保険の訪問看護だけでなく、保険外での訪問看護や付き添い看護サービス(介護保険・医療保険では対応できない24時間や長時間連日での見守り、自宅からの外出における付き添いなど)を行っています。
医療処置に関しては、保険外、保険内にかかわらず、医師からの指示書をいただき、必ず報告を行なっています。特に自宅からの遠出となる場合などは、処置、対応などの危機管理について医師と十分連携し、指導をいただいています。

「依頼は断らない」

これは開業当初から変わらぬポリシーです。特に開業当初は、断ることは致命的でした。どんな依頼も受け、訪問をすることが、知名度のない新しい事業所には絶対に必要なことでした。それはスタッフの数がそろっていなければ無理でしょ?と思われるかもしれませんが、当社はスタッフ一人ひとりがすべてのご利用者に対応できるように、私が同行して教育する事で、あらゆる依頼に対応してきました。
依頼の中には保険外サービスもありました。医療関係者やケアマネジャーから知名度と信頼を得るためには、「断らない」が最も有効な手段です。信頼を得て、訪問件数が増えていくことで、新たにスタッフを採用し、確保していく資金面の余裕ができます。私は、保険外サービス積極的に行ったのではなく、保険外サービス積極的に行ったのです。

付き添い看護へのニーズ

保険外サービスを行うには、資金面や、介護保険による訪問を行っている間に、イレギュラーで不定期間・不定時間の保険外サービスをどのように割り振っていくか?という点に不安がありました。しかし私には、私の考えに賛同してくれて、協力してくれた心強い信頼できる仲間、同志(当社のスタッフだけでなく、以前連携したことのある訪問看護事業所や訪問介護事業所など)がいました。また、時間制約が決まっていない、亡くなるまで付き添ってほしいといった依頼などは、スタッフ全員の予定が分かる予定表を活用し、空き時間、訪問可能時間に丸を付けてもらい調節しやすくしました。
ある日、次のような電話がかかってきました。
「主人が亡くなるまで私のそばにいてほしいんです」
往診医からご主人の看取りが近いことを告げられた奥様からの電話でした。ご主人は末期がんで、我々が訪問看護に伺っていました。末期がんに覚悟はしていても、やはり耐え難い不安と悲しみに、奥様は助けを求めていました。「分かりました。保険外サービスとなりますがお伺いします」「ありがとうございます。主人が亡くなるまで一緒にいてください。お願いします」「ずっと一緒にいますから安心してください」看取りが近いとはいえ、それが数時間なのか、1日、2日後なのか定かではありません。しかし、奥様は信頼できる看護師にそばにいてほしいと願っていました。ずっとそばにいられるだろうかという不安はありましたが、そばにいて安心させてあげたいとの思いから依頼をお受けしました。
このような依頼があったことをスタッフたちの前で話すと、空き時間で対応できると手を挙げてくれた看護師が少なからずいました。保険外でも看護師に助けを求める人がいて、同じ意識を持つスタッフの保険外サービスへの理解があり、この事業は成り立っています。

保険内外を問わず、ご利用者の支えに

「自宅で看取りたいと願った老夫婦」「娘の結婚式に出たいと願った末期がんの男性」「遠い故郷へのお墓参りをしたいと願った女性」など、これまで数々の依頼があり対応してきました。「その方の力になりたい」という心意気こそが保険外サービスを行うにあたり必要なものだと思っています。私たちにとって保険外サービスを行うことのメリットをあげるならば、私たちの理念でもある「24時間 ご家族とともに 安心して生活できる看護を」を実践していく上での意識の共有ができることでしょう。全員が同じ意識で取り組み、同じ方向を向き、貢献できた実感・喜び・やりがいを共有し向上していく。逆に言えば、この意識の共有がなければ保険外サービスは負担にしかならず、本末転倒となるでしょう。対応できるスタッフの「数」ではなく、意欲のあるスタッフの「力」が必要だと思います。
高齢者が増え続け、医療福祉の財源の限界がある中、ご利用者には改正ごとに厳しくなっていく介護保険制度。ご利用者の我々への保険外サービスの依頼は増えていくことでしょう。
ある時、30代男性からこんな依頼がありました。
「ディズニーランドに一度行ってみたいな~。付き添いで一緒に行ってくれませんか?」
男性は末期がんでした。在宅療養を始めてから訪問看護を利用して3カ月が経ったころでした。男性の願いを叶えるためにぜひ協力したいと思いました。
男性に、保険外サービスによる付き添いでディズニーランドへ行き、そこで楽しむことが可能であることを説明し、どれくらいの費用がかかり、ディズニーランドまでの移動の方法、ディズニーランドでの過ごし方、あれに乗りたい、あれを見てみたいという男性の望みが最大限叶うように、それでいて身体に負担をかけすぎず、安全面を重視し、スケジュールを念入りに再考しました。
そして天気予報で当日の晴れを確認した前日。男性の容態が急変し、そのまま帰らぬ人となってしまいました。

保険内であろうと、保険外であろうと、ご利用者の支えになりたい。この一心に尽きると思います。

理念

全職員の幸福を追求するとともに、地域の皆様が安心して暮せる社会づくりに貢献出来ること

経営理念

「24時間対応、いつまでもそばにいます」
みんなの訪問看護リハビリステーションは、「最後までご利用者様が安心できる空間づくりと、尽くす看護、リハビリを提供します」

指針

  • 心に残る看護・リハビリによる機能回復
  • 生き生きとした地域社会づくりへの貢献
  • 将来を切り拓く新たな社会資源の創設
  • 療養者様ご家族様に安心のためのたゆまぬ努力
  • 社会から信頼される行動

 

株式会社モリモリ 代表取締役社長の森元 陽子による著書が発売されました。

幻冬舎新書『訪問看護師という生き方

ナースのお仕事は病院だけではない!
「訪問看護師」というキャリアの築き方とは

「訪問看護師」の需要が急激に増加しています。
訪問看護師とはご存知の通り、病院やクリニックに勤務するのではなく、患者の自宅や介護施設などに出向いて医療サービスを提供する看護師のことです。

患者は病院で毎日24時間を通して行き届いたケアを受けることができます。
しかし、患者にとってはやはり非日常、異空間なのです。
医師や看護師、その他の病院スタッフや同病室の患者に対してどうしても遠慮や気遣いが出てしまいます。
一方、自宅では多くの人が自然体でいられるため、リラックスして看護が受けられます。
もちろん、自宅で気が楽になった分、わがままが出てくることもありますが、そこで私は、患者に寄り添った本来の看護とは「患者が自然体で看護を受けられること」だと気づいたのです。

超高齢社会を迎えたいま、一人ひとりの患者に寄り添うことのできる訪問看護師は、重要な役割を担うことになると確信しています。
私が訪問看護師としてのキャリアをスタートさせてから18年経ちますが、訪問看護師は看護師本来の仕事を全うできる職種であるという思いが揺らいだことは一度もありません。

本書が、看護師を目指す学生さんはもちろん、すでに看護師としてのキャリアをスタートしている皆さんにとっても、「訪問看護師」という仕事の魅力について知るきっかけとなれば、著者としてこれに勝る喜びはありません。


著者:森元 陽子
出版社: 幻冬舎 (2018/5/31)
新書: 192ページ
ISBN-10: 4344916565
ISBN-13: 978-4344916562